はじめに:ローツェ(2012)編

2011年5月20日、エベレスト頂上からサウスコルへ帰る途中に撮影したローツェ

 2011年春、ぼくはネパール側からエベレストに登頂しました。その詳細は、このブログおよび、拙著『For Everst ちょっと世界のてっぺんまで』(リトルモア刊)に記したとおりです。
 エベレストに登頂後、最終キャンプのあるサウスコルへと帰る途中、自分の視界から片時も消えずに眼前にそびえていたのが、世界第4位の高峰ローツェでした。「あの山の頂から、逆にエベレストを見上げたらどのように見えるのだろう」という気持ちが出発点となり、今年はローツェに登ってみることにしました。
 ローツェの標高は8516メートルです。エベレストの標高は8848メートルですから、300メートルほどエベレストよりも低い山ということになります。登山の一番の目的は、ローツェに登りながらエベレストを撮影すること。ぼくの実力でローツェに登頂できるかどうかはわかりませんが、撮れるところまで撮って、カメラだけは手放さないつもりです。また、前回から引き続いてシェルパたちへのインタビューも進めていきたいと考えています。
 ローツェのノーマル・ルートは、第3キャンプまでエベレストと同じ道行きです。南北両側のルートからエベレスト登山の現実を記録し、さらに隣のローツェからエベレストを間近に撮影できれば、まったく新しい世界最高峰の姿を浮かび上がらせることができるのではないか。数多の欲望を惹きつける現代のエベレスト、そのことを全身で知るための総仕上げが、ぼくにとって今回の遠征となるでしょう。

2012年2月10日 石川直樹


2012年春のあしどり

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アバウト(2011年のエベレスト登山日誌ブログ開設にあたって)