はじめに:ローツェ(2013)編

2011年5月20日、エベレスト頂上からサウスコルへ帰る途中に撮影したローツェ

 2012年春、ぼくは初めてローツェに向かいました。昨春は雪が少なく、そのため落石が大変多くなるなど、エベレストとローツェをめぐる状況は最悪でした。ぼくが参加しているHIMEX隊は、エベレスト、ローツェ、ヌプツェに向かう三隊によって構成されていましたが、三隊とも撤退するという苦しい決断に追い込まれてしまいました。
 ローツェに登ろうと思った経緯は、2012年の「ローツェ日記」における「はじめに」に詳しく書いたので、ここでは繰り返しません。
 目的は昨春同様、エベレスト登山の現実を記録し、シェルパたちに取材すること。さらにエベレストの隣にあるローツェから、エベレストを間近に撮影することです(ローツェのノーマル・ルートは、第3キャンプまでエベレストと同じ道行きなので、エベレスト登山の様子をつぶさに観察し、ルポすることもできるのです)。
 エベレストという聖俗合わせ持った希有な山を十二分に知るための、これが最後の取材となるでしょう。はてさて、今年は登れるのか? ローツェフェイス(エベレストとローツェに向かうときに出くわす壁のような斜面)の状態は? そして何よりきちんと写真が撮れるのか?
 さてさて、長い遠征が、いまはじまります。

2013年3月28日 石川直樹


2013年春のあしどり

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はじめに(2012年春のローツェ登山日誌ブログ開設にあたって)