雨の屋久島から帰京。 

DSC05665.JPG

 雑誌SPURの取材で、屋久島の宮之浦岳に登ってきた。ぼくがはじめて屋久島を訪ねたのは、高校を卒業した直後の1995年春だったと記憶している。カヌーイストの野田知佑さんに会うために鹿児島へ行き、その足で屋久島に渡ったのだ。当時は粗末な装備しか持っておらず、スーパーで買ったような安い寝袋を携えて一人で宮之浦岳に登ったのだが、山頂で雪に降られて大変寒い思いをした。あれからもう16年が経とうとしている。

 縄文杉へ向かう登山道を歩いているとひっきりなしに歩行者とすれ違い、あの頃とは隔世の感がある。ただ、それもトロッコ道から縄文杉までのあいだだけで、それ以降のトレイルは相変わらず深い森に包まれており、歩いても歩いても疲れを感じない気持ちの良い登山となった。折しも奄美地方に大雨注意報が出た日と重なっていて、2日間ずっと雨に降られ続けたが、それでもぼくにとっては息抜きとなる楽しい山行だった。

 そのSPUR主催のイベントが明日10月2日(日)に表参道ヒルズの地下三階で開催される。13時30分から14時まで、小島聖さんとトークイベントをするので、お時間がある方はぜひ。小島さんは、日本の山はもちろんのこと、標高5000メートルを超えるカラパタールやゴーキョピークにも登っていて、ネパールのトレッキングにも詳しい。カトマンズの路上で小島さんと初めて出会ったときは、ちょっとびっくりしたものだ。

 今日は、芸大で東京国立博物館の木下さんとトーイベントをした。木下さんが聞き役を務めてくださったおかげで、いつもとは少々異なる雰囲気の会となり、面白かった。スカイ・ザ・バスハウスで写真を見直して、芸大で映像を振り返りながら、あらためてあの世界のことを思う。

 ぼくは10月4日夜から22日まで、再びエベレスト街道へ向かう予定だ。タンボチェでお祭りがあり、それを撮影しに行くのが主な目的である。ついでにカラパタールやベースキャンプへも足をのばしたい。シェルパのプルバやニマ君に再会できるだろうか。日本に帰ってくると途端にブログを更新する意欲が低下するのだが、ネパールではできる限り、日々のことを書いていきたいと思っている。

 以下はお知らせです。
 〇『最後の冒険家』が集英社より文庫化されました。解説は詩人の文月悠光さんが書いてくれました。文月さんの『適切な世界の適切ならざる私』、良いです。
 〇理論社が倒産してしまい書店から姿を消した『いま生きているという冒険』でしたが、10月4日にイーストプレスより復刊されます。あの「よりみちパンセ」シリーズが随時復刊していくのは嬉しいかぎり。
 〇ユリイカの石川特集号は、自身の原稿の執筆が遅れているせいで、刊行が後ろにずれこんでおります。執筆者の皆様、待っていてくださる皆さん、本当にすみません……。