エベレスト・ベースキャンプ入り。 

4月9日

 ロブチェBCを8時に出発した。ゴラクシェプを経由して、エベレスト・ベースキャンプへ。今年は片手にトレッキング・ポールを持ち、50リットルのバックパックを背負っている。といっても、BCまでの道中は50リットルもいらないので、バックパックの雨蓋を本体に埋め込んで小さくして使っている。

 ロブチェBCは、ロブチェの集落の少し手前にある。ロブチェ集落には何度か泊まったことがあるが、不衛生な場所なので、どうしても泊まれと言われない限り、泊まりたくない。汚物がこんもりと盛り上がったトイレを見たとき、ここはごめんだ、と思った。同じ理由で、ラッセルはロブチェに隊を泊まらせず、その手前にロブチェBCを作ったのだろう。

 ゴラクシェプでNcellが使えないという噂があったが、動いていた。が、天気によっては数日間使えなくなることが頻繁にあるとのこと。とりあえず、完璧ではないにせよ使えてよかった。

 ゴラクシェプで2日間分の日記を更新した。それにしても、コンセントにアダプタを差し込んだだけで400ルピーとは随分なボッタクリだろう。最初500ルピーとふっかけてきた若者には、観光客だと思って足もとを見るんじゃない、と怒ってしまったが、それだけのお金を払ってコンセントを使う外国人がたくさんいるということである。

 昼前にはエベレスト・ベースキャンプ到着。標高5300メートルのやすらぎの地である。昨年から場所はほとんど変わっていないが、参加者の増大に比してテントの数が大幅に増えた。ダイニングテントも増えている。トレッカーやロブチェピークに登るグループが帰った後は、この数がどんどん減っていくだろう。

 これから二ヶ月ものあいだテント暮らしなので、自分のテントの場所を選ぶのは重要である。ぼくは小高い丘の上のテントを選んだのだが、そこは氷河の上でもあるので、少し暖かくなってきたらテントの下が湖になる可能性がある。一抹の不安があるが、仕方ない。

 ベースキャンプには、すでにいくつかの隊がベースを作っていたが、まだそんなに多くなかった。顔なじみのシェルパたちに会った。プルバがいる。ニマ君がいる。キッチンにはタシがいる。去年一緒にエベレストに登った優秀なシェルパたちがいる。一人一人と握手をした。みんな頼りになる仲間たちである。

 テントの中に荷物を運び入れ、テント内を整えた。この場所をどれだけ快適な空間に仕上げるかも重要である。のろのろと作業をしていたら、すぐに夕食の時間になってしまった。

 分厚いダウンジャケットを着て夕食を食べ、20時半頃には寝た。

*写真は、ベースキャンプの真新しいテント群。