ただ回復に努める。 

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5月8日
(ベースキャンプ/5200m)

 宴の翌朝は、いつも静謐だ。7時におしぼりとミルクティー。

 8時の朝食には、顔を出さないメンバーもいた。二日酔いだろう。

 宴が終わりかけた深夜二時、シーズン中、三度のエベレスト登頂を目指すデイヴィッドがBCを発って、C2に向かった。そして、HIMEXシェルパ軍団もまた深夜二時過ぎにBCを発って、頂上へのルート工作の一歩を再び踏み出した。デイヴィッドと精鋭シェルパたちは、予定では5月10日に頂上に立つ。
(8日:BC→C2、9日:C2→C4、10日:C4→頂上→C2という日程)。

 シェルパたちはC3をすっ飛ばして、C2からダイレクトにC4に行くのが常である。そして10日、シェルパたちはルート工作をしながら頂上を目指し、デヴィッドがすぐその後を追うことになるだろう。果たして、今年初のエベレスト登頂がかなうのか。ルート工作の行方は・・・。プルバたちの双肩に、今シーズンのエベレスト登山の今後がかかっている。

 午後は『善徳女王』のDVDを観る。全部で28巻ほどの長編韓流大河ドラマなのだが、まだ10巻くらいまでしか観終わっていない。朝鮮半島における新羅の歴史がよくわかるドラマで、その中心にいるのは、「花郎(ファラン)」という美男子武芸集団である。この「花郎」と関わりのある新羅系の集団が海を渡って北九州に移住したのは史実として間違いない。そして、国東半島をはじめ、北九州の修験道の原型を作ったのがこの新羅系の集団だった、とぼくは思っている。鬼伝説と製鉄。道教と儒教と仏教の融合。これは北九州の八幡信仰とも深く関わりがある。

 ぼくが編集者だったら司馬遼太郎さんに丁寧な手紙を書いて、上記の歴史の小説化に興味がないか一応提案するが、司馬さんは若干の興味を示してくれても、書いてくれることは100パーセントないだろう。それは折り込み済みで、本命は松本清張先生である。イタコにでも召還してもらって、本当に松本清張さんと直談判したい。BCに『西海道談綺』新装版1巻〜4巻を持ってきてはいるのだが、まだ手を付けていない。『西海道談綺』は、必ず読むべきなのに、まだ読んでいない「積ん読リスト」の上位に以前から入っていたものだ。今から読むのを楽しみにしている。

 夕食は、スパゲティとサーモンとブロッコリ。シェルパの作るスパゲティはうどんだと思って食べるようにしているが、今宵のスパゲティはちゃんとしたスパゲティだった。ボブ万歳。

 静かに就寝。7000m超で受けた身体へのダメージは、めきめき回復している。

*写真は、昼食のデザートに出たゼリー。マナスルのときと違うのは、なかにフレッシュフルーツが入っているところ。リンゴ・キウイ・オレンジ・・・、生鮮果実は貴重なのだ。