ここで引き返す。 

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10月26日

 マカルーBC(標高4800m)のテント内にて、朝6時頃起床。

 いつものソバなのかパスタなのかわからないスープ麺を食べる。

 シェルパニコル越えの断念は決まったが、朝8時、偵察のため、次のキャンプ地であるスイスベースキャンプ方面へと歩いた。

 やはり雪が深い。朝方は雪がしまっているので、ズボズボ引っかからずに歩けるのだが、徐々に日が高くなっていくにつれて、雪が柔らかくなり、足が埋まる。アイゼンは必要ない。

 途中でネズミか何かの死骸を見た。鳥か雪猫のような動物に補食されたのだろう。こんなところにも生き物がいることに驚かされる。

 右手に見えているマカルー(標高8463m)がどんどん大きくなっていく。かっこいい山だ。いつか本当に登りたい。

 ときどき足が雪に埋まりつつも、前に前に進んでいく。左側は、雪と岩の斜面になっていて、デブリ(雪崩た後の雪面)が行く手をふさぐ。いかにも雪崩そうな斜面を左手に見ながら進んだ。

 午後になって雪がゆるんできたら、危ないだろう。落石にも見舞われ、拳よりも大きな石がぼくの右足をかすめていった。

 シェルパのチェビさんとのミーティングで、午前10時に引き返すことにしていた。昼食の時間にマカルーBCに帰り着こうという算段である。午後になると雪崩の危険性が飛躍的に高くなるからだ。

 9時50分、スイスベースキャンプの手前までたどり着いた。ここで時間切れ。チェビさんと握手をして、ここまで一緒に来てくれた謝意を伝える。右側はマカルーが立ちはだかっている。奥にはローツェやヌプツェも見え始めた。

 もうほんの少しでクンブーなのに、ここで引き返すのは悔しい。だが仕方ない。ぼくたちはクンブー方面を見つめ、踵を返した。

 昼過ぎにマカルーBC到着。午後からいつものように雲がかかりはじめた。

 明日、ぼくたちは一日かけてヤングラカルカに戻って態勢を整え、アマダブラムBCにどうやって入るかを考えなくてはいけない。

*写真は、世界第五位の高峰マカルー。マカルーBCからよく見える。次に8000m峰を登るとしたら、このマカルーに登りたい。