サハリンより。 

DSCF0466.JPG
 

 ロシアのサハリンにいる。

 奈良美智さんと一緒にサハリン島を北から南へと旅していて、まだ一週間も経っていないというのに、例えるなら100冊の良質な本を読むのと同じかそれ以上のことを、日々学んでいる気がする。サハリンは驚きと発見の宝庫だ。

 サハリンの旅については、奈良さんがツイッターで逐一報告してくれているようだ。ぼくはツイッターもフェイスブックもやっていないので、旅の進捗に興味のある方は奈良さんのツイッターで確認してくださいね。

 ポロナイスクで再会したオクダ・チョージさんのことは次号の『暮しの手帖』の連載に、ノグリキ郊外のトナカイ祭りのことは次号の『新潮』の連載に書いた。少数民族であるニブフとウイルタについては、アイヌ民族の隣人という認識だったが、サハリンで実際に人々と出会い、話をしていると、その存在や歴史や差異を改めて実感し、彼ら彼女らを通してここサハリンをはじめ、北海道や遠くシベリア、カムチャツカや北極圏にまで想いを馳せることができる。新しい視座を得られるのが本当の旅だとしたら、今ぼくはその只中にいる。ここから新しい何かがはじまるような気がしてならない。

 東京ではIMAギャラリーでの展示がはじまっている。以下は、展示について書いてくれた新聞記事。
http://photo.sankei.jp.msn.com/info/data/2014/08/25ishikawa/

 また、遅れていた100エディションのプリントも仕上がった。これは100枚限定でIMAギャラリーにて販売する写真作品で、展示作品を購入したときと同様、エディション(ナンバリング)なども付いている。

 100エディションの写真は『MANASLU』シリーズの満月の作品を選んだ。ぼくはマナスルに登頂した日の夜、精も魂も尽き果てて何度も転びながら、満月の光を頼りにベースキャンプを目指した。あのときの月明かりは、自分にとって背中を押してくれた唯一の存在であり、道しるべだった。そんな思いから選んだ作品である。オリジナルプリントに関心のある方は、ぜひ。

 SLANTから出版しているヒマラヤシリーズ4冊目の『MAKALU』も正式に発売された。ヒマラヤシリーズに関して、最初は5部作で考えていて、5冊目は聖山カイラスを巡礼して締めくくろうと思っていたのだが、今年はカイラスのあるアリ地区に入るための許可証が日本人に発行されないことになってしまった……。なので、当分は4冊のラインナップでいくことになる。最新作の『MAKALU』は自分でも好きな一冊。ぜひ、皆さん手にとってみてください。

 9月6日から10月12日まで『MAKALU』のサテライト展として、恵比寿に新しくできたOVER THE BORDERというギャラリーで、写真展『AMA DABLAM/GLACIER』を開催する。アマダブラムには登頂こそできなかったけれど、今でも憧れの山である。ごくごく小さなギャラリーなのだが、近くに来た際は是非お立ち寄りください。そうそう、ぼくが大好きなデザイナー・原耕一さんが特別にデザインしてくれた4種類のヒマラヤポスターもこの会場で販売されます。

 9月10日〜23日、銀座ニコンサロンにて写真展『国東半島』開催。初日10日に東京芸大の伊藤俊治先生と対談します。

 9月12日〜14日、沖縄で6人の写真家(野村恵子さん、大橋仁さん、百々新さん、亀山亮さん、森栄喜さん、石川)による第一回ワークショップ写真学校を開催。夜は懇親会という名の飲み会(?)も。ぼくのことはともかく、他の5人はそれぞれ破壊力のある写真家たちで、彼らのわけのわからなさに触れてもらいたい。
http://ja-jp.facebook.com/events/748900015155966/?ref=22

 9月は他にも写真集『国東半島』『髪』(共に青土社より)が二冊発売になり、東京アートブックフェアや銀座のガーディアンガーデンやVACANTなどでトークイベントなどをします。いろいろ目白押しなので、随時このブログでアップデートしていく予定。

 では、奈良さんとのサハリン旅に戻ります!

*写真は、ポロナイスク。泊まっている宿の窓から見えている風景。