はじめてのキャンプ3。 

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7月17日
C2→C3

 どこをどう取り違えたらそんな聞き間違いをするのかわらないが、ぼくとレネと、隣のセルゲイとハーバートは、6時半起床、8時出発だと思いこんでいたので、6時半に下のテントからメンバーがあがってきたときは驚いた。どうやら5時起床、6時半出発だったらしい。

 とはいえ、全然慌てない。上のテントで寝ている者は、下のテントで寝ている者よりも2時間近く早くC2に着いたメンバーで、多少出発が遅れようが誰にも文句は言われないからだ。ぼくはゆっくりお湯を作って、聞き間違えた時間通り、8時くらいに出発した。

 C2からは再び斜面を登っていき、昨日よりもさらにイヤな感じのトラバースが何度かあって、とにかく登り詰めていく。C2から5時間くらいだろうか。雪の稜線を登った上の斜面がC3だった。

 時計で標高を調べると、6950メートルだった。何かの間違いかと思ってメンバーにも聞いてみるが、GPSで調べても同じような標高が出てくる。8000メートル峰のC3といえば、普通は7000メートル越えの位置にある。お隣、ブロードピークのC3も7000メートルオーバーだ。が、K2の南南東リブのC3はギリギリ7000メートルに満たない。「さすがに7000メートル越えるときついなあ」などと思いながら稜線を歩いていた自分はいったい・・・。

 ともかく7000メートル弱のC3に到着した。C2の掘り炬燵よりは居心地がよかったが、標高が高いので何もする気が起きない。ぼくの個人的な感覚では、6400メートルが欲望の限界地点で、それを越えると、通常の欲望は消えていく。まずはじめに食欲がなくなる。せっかく高級なレトルトうどんを持ち上げたのに、まったく食べたいと思えなかった。BCでは早く食べたいと思っていて、必死に袋を開けるのをこらえていたの・・・。

 途中で帰ってしまったボウというアメリカ人に、スポーツドリンクのタブレットをもらったのでお湯を入れたナルジンに入れて飲んでみたら、吐きそうになるほどまずかった。「スイカとキウイフレーバー」などと書いてあったので美味しそうだなと思ったのだが、単にケミカルな味で、オエッとなった。

 結局、いただきもののドライ苺を三切れしか、C3では食べていない。よくそれだけで翌日下山できたものだ。サミットプッシュの時は、秘蔵の食い物(ゼリーとか)を惜しげもなく登場させるしかなかろう。

 C3ではひたすらお湯を作り、16時頃には寝袋にくるまった。登山靴とハーネスを枕にして寝るのだが、30分位すると靴の位置が変わって枕の意味を成さなくなる。夜中、靴=枕の位置を動かし続け、あまり眠れなかった。でも、枕の位置が決まっていても、そんなにぐっすり眠れないのがC3という場所ではある。

*写真は、キャンプ3。下に見える氷河のカーブの所にぼくたちのBCがある。