• 20090512

    石川直樹連続トークセッションvol.2 その3

 
3月20日にジュンク堂新宿店で行われた、
石川直樹連続トークセッションvol.2。
ここでは全5回にわたってその模様を掲載していきます。

 
 

第3回 服部さんの食生活

 
 

石川:服部さんはカエル食べたり、いろんなことをしてますね。
 
服部:これがカエルの燻製。
 

(撮影・丸山剛)
 
これは簡単に作れるんです。皮をむいて、内臓出して、塩、こしょうして、たき火の横につるしとけば、お土産にも喜ばれる「カエルの薫製」のできあがり。
 
石川:食えるカエルと食えないカエルっていうのは、当然あるんですよね?
 
服部:うーん。まあ山ではカジカガエルとかツチガエルとか捕れるんだけれども、肉にして食う所があるのは、大きいヒキガエルだけです。
 
石川:そういう知識はどこから学ぶんですか?
 
服部:いや、学ぶもなにも、見ればわかるでしょう? カエルは食えますよ。
 
石川:いやいやいや!
 
服部:松濤 明(まつなみあきら)って北鎌尾根で死んだ有名な登山家がいますけど、彼の記録を読むと、カエルを食べるって書いてあります。
*松濤 明:1922年(大正11年)生まれ。 1949年、厳冬期の槍ヶ岳北鎌尾根において遭難し、生涯を終える。 死後に出版された『風雪のビバーク』が有名。
 
石川:そういった記録から情報を得ているんですか?
 
服部:いや、それはあとで見つけました。
ていうか、カエルは中華料理で普通に食べるでしょう?
 
石川:う~ん…。そうかなあ?
これはどうですか?
 

(撮影・丸山剛)
 
服部:これはイワナの胃袋を開いて、何を食べているかを観察しているところなんだけど、イワナの胃袋の中身はさすがに食べません。
 
石川:だって、バッタ見えてますもんね。
 
服部:バッタも食えますよ。でもこれは、「明日の毛針はバッタだな」って観察しているところです。
 
石川:なるほど…。
 
服部:まぁ、岩魚の胃袋は結構コリコリしてて美味しくて、そのままは食べないけど、焼いたり茹でたり、みそ汁に入れたりして食べることもあります。
 
石川:服部さんは横浜育ちですよね? 山奥に住んでた爺さんに色々伝授してもらったわけじゃないですよね。
それでこういうのを学んでいく過程っていうのは、僕はすごく興味があるんですけど。「カエル食えるでしょう」って言うけど、別に5歳くらいの時から食ってた訳じゃないと思うし。
 
服部:あ~。でも知らないキノコは食べないよ。
さすがにキノコはデンジャラスだから。
 
石川:他にも色んなモノ食べてるんですか?
 
服部:今日はそんなに色々写真を持ってきてないんだけど、これはイワナを捌いたあとですね。
 

(撮影・丸山剛)
 
服部:これはウドですね。
 

(撮影・丸山剛)
 
服部:ウドって普通はちょっと土から出たのを食べますけど、完全に伸びきったやつでも新芽のあたりはほとんど同じように食べられます。
 
石川:んー、、、冒険とは何かというのを考えていった時に、やっぱり服部さんは現代の冒険の最先端をいっていると思うんです。
 
服部:いや、それは甘いな。っていうのはね、日本の山っていうのはやっぱり小さいから本当の本当にすごい連中、例えば北東航路を探しに行ったナンセンが、食いもんなくてどうしようってなった時に、シロクマ出てきてバーンって撃った、みたいな、もう逃げ道がなくて細い糸をたぐるように生き残った連中とかに比べてしまうと、僕がやってるのは遊びだよね。
*フリチョフ・ナンセン:科学者であるとともに政治家でもある。ノーベル平和賞を受賞しています。
 
石川:う〜ん。まあね。でもナンセンのあれは人類史に残る大冒険ですから…。
 
服部:日本の山ってそんなに大きくないんで、まぁ12時間も歩けば里に出ちゃうんだよ。だから、もっともっと大きいフィールドが必要となってくるのかなっていう想いはある。かといって、自分が今やっていることに自信や手応えがないわけじゃなくて、やっていることの中身にある一番芯の部分っていうのは、それはやっぱり美しいと思っているんだよね。
 
石川:服部さんの、そういう思想を伴って動き続ける感じって、やっぱり凄いし、惹かれるところです。著書を読んでいても、それは感じたことなんですが。
 
服部:ありがとうございます。読んでない人はぜひ。
 
 
と、いうところで、石川さんは北海道に発たなければいけない時間がやってきてしまいました。なんでもアイヌの鹿猟とアナグマ猟を取材しに行くんだそうです。そういう訳で、ゲストの服部さんを残して石川さんは成田空港へ。
いってらっしゃい!
*ここでの“アナグマ”は、冬眠中のヒグマのことを指しています。
 
とはいうものの、時間はまだあるしもう少しなにか話していきましょうか?と服部さんが言って下さり、石川直樹連続トークセッションvol.2は急遽、服部文祥トークショーに変って続行することになりました。
服部さん、ありがとうございます!
 
次回より番外編として、その模様を掲載致します。
お楽しみに!
 


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