白石晃士監督の『オカルト』(2009年)という映画があります。僕が長編映画で初めて主演させて頂いた映画です。是非観て頂きたい映画です。
見て見ぬふりをしていましたが、僕はハゲてきております。白石監督は『オカルト』で真正面から僕にハゲと向き合わせてくれました。しっかり映っておりました。本当に感謝しております。
正確に言いますと、今の段階ではハゲではなく、毛が薄く、上と横の髪の伸びるペースが違うというだけです。自分では鏡を見る時に正面もしくは上向きに見るので、頭頂部は自然と日々見ることがないのでとても気付きにくいのです。
中学の時、野球部で月に2回は近所の「シャープ」という、「安い・臭い・汚い」と三拍子揃った、小枝兄さんというあだ名のエロ話しかしないけど話がおもろいオッサンと、フランケンという口が臭くて話がおもろないオッサンと二人でやっている散髪屋に通っていました。
行く度に、兄ちゃんは百パーハゲると小枝兄さんに言われ続け、フランケンも頷いていました。その時は笑いながら言うし、ネタかと思っていましたが、今思うと毎回僕に警告してくれていたのです。僕はそれに気付きもせず、真剣に考えず、ケアしてきませんでした。今の状態は、当然の結果なのかもしれません。
しかし、僕は悲観的になっているのではありません。もう今さらなのですが、小枝兄さんは「ハゲている人は下半身が強いからええやん」と言っていました。確かにそうかもしれません。ハゲているということは、男性ホルモンが髪がある人の何倍も分泌されて満ち溢れているからハゲるわけで、決して悪いことではなく、それどころか、ハゲている人の方がセクシーと言われている人が多いと思います。
マーロン・ブランド、ジャック・ニコルソン、スティーブ・マックイーン、ロバート・デュヴァル、ジョン・マルコヴィッチ、ブルース・ウィルス、ケビン・コスナー、サミュエル・L・ジャクソン、ピカソ、ジダン、ロッペン、ルーニー、マイケル・ジョーダン……とこのように、人種職業関係なく、セクシーなハゲはたくさんいます。
しかし残念ながら、ここには日本人が一人も入っていません。なぜなら日本人のハゲの地位があまりにも低いのです。「汚い・臭い・脂っぽい」とあのシャープとほぼ同じような扱いを受けています。運命でしょうか、奇しくも僕がハゲになると予言された、あの場所と同じところに僕は辿り着いていたのです。
シャープには申し訳ないのですが、あんな扱いを受けるのは嫌だ! 臭くて汚いのは嫌だ! だから僕は闘います。そして白石監督は僕にチャンスをくださいました。そう言えば、監督も実は少し薄くなってきています。
この『オカルト』は日本人のハゲの地位を上げるために、わざわざ僕を主演に起用してくれたと僕は思っています。僕はその気持ちを汲んで、むしろ日々頑張って抜けていきたいと思います。
目には目、歯に歯、ハゲには地位を
求めよ、さらば与えられん
カミよ、ハゲルヤ