<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><!-- generator="wordpress/ME2.2.3" -->
<rss version="0.92">
<channel>
	<title>プリクル番外編</title>
	<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle</link>
	<description>プリクル番外編</description>
	<lastBuildDate>Mon, 10 Aug 2009 07:42:49 +0900</lastBuildDate>
	<docs>http://backend.userland.com/rss092</docs>
	<language>ja</language>
	
	<item>
		<title>『川の底からこんにちは』</title>
		<description><![CDATA[
7月30日（木）　東京国立近代美術館フィルムセンター
　
『川の底からこんにちは』
　
しょうがない。
満島ひかり扮する主人公の佐和子が何度も口にするこの言葉。上京して5年、5度目の職場、5人目の彼氏……こういう女の人、いる。バイクのタイヤの凹凸が全部擦り減った、あの感じ。雨が降っただけですぐ滑るし、ブレーキの効きもすこぶる悪い。でも、そんなバイクでも乗らなきゃいけない。だって、走っていないといけないから。
もう少し踏ん張って！　なんて声も届かず、「中の下」を自認する佐和子はゴウゴウ流れる川にあれよあれよという間に飲みこまれ、川べりのしじみ加工工場に流れ着く。しかもバツイチ子持ちの彼氏・健一と一緒に。佐和子、ダメじゃん……。しかしふと気づく。というか、これ、私？　実は、私も佐和子の言う「中の下」かも。隣席の人を思わず盗み見る。……あなたも？
でも、ちょっと待って。佐和子みたいに、自分で自分を「中の下」と言っちゃったら、あまりに寂しい気がする。だから、みんな、冴えない現実にも目をつむって、日々ちゃんと生きてるって、そう考えるようにしてるんじゃない？　それが処世術というもの？　そうかもしれない。
だから佐和子が、自分が「中の下」だってことを、最初から全部飲みこんじゃっているのが、やるせない。ダボダボのパーカーが、やるせない。発泡酒を飲んで目を赤くしてるのが、やるせない。
だけど、映画の中にはビックバンが待っていた。
佐和子は突如、生まれ変わったかのようにエキセントリックに動き始める。激流に抗って屹立する。工場のいじわるなおばちゃんたちも、あっさり誘惑に負ける健一も、そんなダメな健一を寝取った幼馴染も、みんな佐和子についてくる。「川の底からこんにちはー！」とみんなが合唱するしじみ工場の社歌が、まるで宇宙誕生の歌のように聴こえた。
だってあたしたち、「中の下」ですよね？　工場の朝礼でそう言い放つ佐和子は、やっぱり全部を飲みこんでいる。でも「中の下」なんて、そんなの実は、広い宇宙からしたらほんとうに狭い日本の中で、誰かが勝手にこの辺が上、この辺が中、この辺が下って決めただけのこと。
相変わらず佐和子は「しょうがない」って言うけれど、諦めの「しょうがない」は、まぶしい輝きを放つ「しょうがない」に変わっていて、シューシューほうき星みたいに映画の中を飛んでいく。26歳でこんな脚本を書いた石井監督にちょっと嫉妬しながら、登場人物たちの一挙一動にいちいちキャーキャー笑って寄り道しながら、佐和子たちが引っ張っていく「しょうがない」の行きつく先をスクリーンのこっち側で見守っていた。ラストシーンの、佐和子の表情。この映画の全部が詰まっていた。あの顔を、見られて良かった。
　
最後に一つ。どうしても忘れられないシーンがある。ビックバン前夜、佐和子は健一の連れ子・加代子と一緒にお風呂に入る。ねえ、先出てて。私、ここで泣いてくから。ぶっきらぼうに佐和子が言って、このシーンはおしまいなのだけど、佐和子が一人お風呂で流した涙。スクリーンには映らなかった涙。その涙がなかったら、きっとビックバンは起こらなかったはず。
（田中祥子）
　
　
『川の底からこんにちは』
監督：石井裕也／出演：満島ひかり、遠藤雅、相原綺羅、志賀廣太郎、岩松了／配給：PFFパートナーズ／35ミリ／114分／2010年一般公開予定
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/19.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『サブウェイ123 激突』</title>
		<description><![CDATA[
8月4日（火）
　
『サブウェイ123 激突』
　
息継ぎを忘れるあっという間の105分。電車あり空撮あり派手なカーアクションありでかなり高カロリー＆満腹で嬉しくなる。地下鉄ジャックの主犯ジョン・トラボルタが異様なムードむんむん。首の太さもぐるりの口髭も目と目の間の狭さと小さいサングラスも怖すぎる。片や交渉役のデンゼル・ワシントンのいい人っぷりと聡明さ。状況はあれこれ複雑なのに、ちょっとしたことで絡まった糸がほどけてゆく手さばきが見事。けっこう執拗な銃撃シーンには思わず目を覆ってしまったが、そのせいというわけでもないけれど、さわやかなラストに若干違和感がなくもなし。不倫スキャンダルにさらされてるあまり立派でない太ったニューヨーク市長がなぜだかとても魅力的であった。やはり先頭車両は要注意である。
（大嶺洋子）
　
『サブウェイ123 激突』
監督：トニー・スコット／出演：デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタ、ジョン・タトゥーロ／2009年／アメリカ／配給：ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント／9月4日よりTOHOシネマズ日劇ほかロードショー
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/18.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『私は猫ストーカー』</title>
		<description><![CDATA[
7月15日（水）　新宿シネマート
　
『私は猫ストーカー』
　
鈴木卓爾監督の長編第一作！　まさにタイトルどおり、主人公のハルは野良猫が好きすぎて、谷中あたりで毎日のように追いかけまわし、猫地図のようなものを描いている。猫のこととなると、どこか怪しい通りすがりの自称坊主にもすいすい付いていってしまうし、きょろきょろと路地を徘徊する彼女の姿勢はだんだん下がっていって、何のためらいもなく地べたに腹ばいになるなど、やや常軌を逸したふるまいを見せる。道端で腹ばいになるハルと一緒にカメラもぐんと下がり、彼女と真っ向対峙したり、主人公同様、野良猫を目の前にほとんどにらめっこ状態だ。
主人公とともに路地裏探索に出るわたしたちは、狭い路地を通り抜けるときのなんとも言えない緊張感や、きょろきょろと視線をはわせ、そこを曲がるか曲がらないか迷うときの一瞬の心のざわめきや、曲がらないと決めて歩きだしたあとも未練がましく横道を眺めてしまうような視線を追体験する。主人公の部屋もアルバイト先の古書店も、路地も、どこも狭いから、ぎゅっと詰まっているような画面の充実ぶりがすごい。一方で時々あらわれる抜けのある風景の心地よさ。
古書店主らしく無口な徳井優が偶然に再会した赤い本を手に、唐突にしゃべりだす。赤い本は手に手に渡ってゆき、それが一つの事件になって、物語が展開していく。あるいは、かつての恋人からハルに届いたりんごの所在なさが登場人物それぞれの心情を写すようでもあり、それが不意にごろごろと転がることでまた物語が動きだす。そうした一つ一つの丁寧な作りがじわりと効く映画だ。
ちなみに鈴木監督の前作の短編「鋼-はがね-」（『コワイ女』所収）は頭にズタ袋をかぶった女がかなり奇妙な傑作だった。こちらも必見です。
（大嶺洋子）
　
 『私は猫ストーカー』
監督 ： 鈴木卓爾／原作 ： 浅生ハルミン／出演 ： 星野真里 、 江口のりこ 、 宮崎将 、 徳井優 、 坂井真紀 ／配給：スローラーナー／スタンダード／HD作品／103分／シネマート新宿ほかにて公開中



]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/17.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『パンドラの匣』</title>
		<description><![CDATA[
7月9日（木）
　
『パンドラの匣』
　
山道をバスが走っていく。たらいに注がれた水が主人公の顔を、短く刈った頭を濡らす。ただそんな冒頭のいくつかの場面を見ただけで、これから始まるこの映画にすっかりひきこまれてしまうだろうことを予感する（車が走っているのに何も感じさせない映画なんて面白いはずがないのだ）。
バスには川上未映子演じる竹さんが乗っている。薄いが横に広い、紅の引きがいのある唇だ。竹さんは看護婦長として赴任する結核の療養所「健康道場」に向かっている。
そこは木造2階建の小さな建物。まるで理科室の机のような、いわゆる病院のベッドより高さのある一風変わった寝台が前後3つずつ並んでいる部屋で、主人公のひばり（染谷将太）は療養生活を送っている。前列の一番奥の窓際がひばりの場所。道場の日課は、不思議な呼吸法や、助手と呼ばれる看護婦の女の子たちが、肺病者たちの背中をごしごしとブラシのようなものでこすったり、はちみつかなにかとろりとしたものを舌の上にのせてやったり、突き出されたおでこに指で軟膏をひょいとつけたりと、どきりとする身体接触がちりばめられているのだが、蝶々のようにひらひらと舞う看護婦たちと彼らのふれあいは、彼女たちの白いふわりの制服のように清潔で、甘酸っぱい青春の香りをいたずらに越えることはしない。死と隣り合わせの現実も、「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「ようしきた」という冗談めいた合言葉が軽やかにぬぐってくれる。
ひばりの部屋はおそらく１階で、ときどき２階に上がって窓辺に腰をかけ下で洗濯物を干す助手のマー坊を見下ろしたりしているのだが、そこから遠くに望めるであろう風景は一度も出てこない。遠く、といえば上方の空のみだ。それほど閉じた空間が舞台であるはずなのに、不思議と閉塞感を意識させないのはなぜか。太陽をたっぷり浴びたみかんのようなマー坊の存在ゆえか。ちょっとした秘密が露呈する人目を避けた階段や布団室も、彼女はなんだか明るく照らしてしまう可憐さなのだ。
会話はたぶん全篇アフレコで微妙なズレがあり、時には声が二重になったりして水の中の出来事を見ているようでもあり、浮世から離れた場所での物語であることを後押しする。そうした一風変わった手法が主張しすぎることなく物語と伴走している。玉音放送とともに喀血したひばりは「あたらしい男」を目指していると度々口にし、手紙に書いてもいるのだが、そんなひばりを描くのに、こうした目新しい方法がマッチしたのかもしれない。
ひばりの恋心は揺れている。夜明け前の庭に裸足で出て行きうろついて戻ってくると、やはりそんな時間に起きだしていた竹さんに遭遇する。月の光に照らされた台所で、ひばりは汚れた足を差し出す。竹さんの持つ濡れた手ぬぐいの感触が、はっきりと残る印象的なシーンだ。結局、竹さんは来るときと同じように憂鬱な面持ちでバスに乗り、道場を去ってゆく。彼女とバスだけが移動する。一方、残された囚われの人たちの、生命感に満ちた楽しそうな幕切れ。その爽やかさ。
それにしても、本当は何より、ひばり＝染谷将太（『14歳』でも『フレフレ少女』でも、彼は抜群に光っていた！）の透明な眼が忘れられないのだ。　　　　　　　　　
（大嶺洋子）
　
『パンドラの匣』
監督・脚本・編集：冨永昌敬、出演：染谷将太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介、洞口依子、ミッキー・カーチス他、原作：太宰治『パンドラの匣』、配給：東京テアトル、10月、テアトル新宿ほか全国順次ロードショー

]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/16.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『フレフレ少女』</title>
		<description><![CDATA[
われらが渡辺謙作監督の新作。メガネの文学少女が野球部のエースに恋をして、あれよあれよと廃部寸前の応援団に入部、いきなり応援団長に……定番青春映画を新垣結衣が熱演!!  団服の似合うこと溜息ものです。手が長いので応援の手ぶりが映える！
張り上げる声がまた甘酸っぱい。正直なところ、これまで会社の若者たちが「ガッキーカワイイ！」と黄色い声を上げているのに冷たい視線を送っていたもの ですが、猛省しました。高校のときにこの映画を観ていたら応援団の部室の戸を叩いていただろうと薄ら寒い妄想まで引き起こさせるとても真っ当でチャーミン グな青春映画です。
ダメ応援団の特訓合宿の最終日、大団旗をかかげて険しい山道を練り歩く行軍があるのですが（剃髪が賭かっている）、じりじりと進む感じにグッときて、これは何かに似ていると考えていたら、そう、『八甲田山』の雪の行軍です。むろんあのような悲劇は待っていません。
ところどころで飛び出すギャグがどこかぎこちなく、ピッチャーゴロという感じでむしろ可笑しいのですが、これは監督の照れ隠しなのでしょうか。それも含めとても清清しい映画なのでした。そういえば渡辺謙作の映画はいつも空が印象的に映りこんでいる、と気がつきました。

『フレフレ少女』
監督：渡辺謙作／脚本：橋本裕志
出演：新垣結衣、永山絢斗、柄本時生、斎藤嘉樹、染谷将太、内藤剛志
配給：松竹
2008年10月11日丸の内ピカデリー２にて全国ロードショー
www.fure-fure.jp
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/14.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『TOKYO!』</title>
		<description><![CDATA[
80年代、ご多聞に漏れずカラックスにやられた口としては9年ぶりのカラックスの新作となれば気もそぞろでようやく試写最終日にすべりこむ。のっけからの看板攻撃で頭突きされ、妖怪・ドニ・ラヴァンが銀座通りをのらりのらりと暴走ならぬ暴歩するシーンには、もう理屈を思いつく前に鳥肌がたっている。ラストはまさに呆気にとられるばかり。荒唐無稽バンザイ！
『Tokyo!』という名のオムニバスの一本ながら、この国の首都「東京」のことなど本当にどーでもいいという感じに満ち満ちていてむしろすんなり映画を楽しめた。

『TOKYO!』
「TOKYO!〈インテリア・デザイン〉」監督・共同脚本：ミシェル・ゴンドリー
「TOKYO!〈メルド〉」監督・脚本：レオス・カラックス
「TOKYO!〈シェイキング東京〉」監督・脚本：ポン・ジュノ
8月16日～シネマライズ、シネ・リーブル池袋にてロードショー
http://tokyo-movie.jp/
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/13.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『ジャーマン+雨』</title>
		<description><![CDATA[
『ジャーマン+雨』の横浜聡子監督が日本映画協会新人賞を受賞するというとても嬉しい知らせに興奮。わぉ！おめでとうございます。そうそう、今年いただいた年賀状の中で横浜監督のものがダントツ異彩を放ってて痺れました。この場でお礼を。
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/12.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>いえたらいいね</title>
		<description><![CDATA[
は準備中です
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/iine/15.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『イースタン・プロミス』</title>
		<description><![CDATA[
待ってました！　のクローネンバーグの新作。ヴィゴ・モーテンセンが正真正銘カッコよくて心中キャーキャー叫んでしまい、帰りの電車のなかで涼しい顔をするのに苦労。ダーティ・ハリーやフィリップ・マーロウ、やくざものの健さんにつづくヒーローです。なんどか怖くて目を覆いましたが、文句なく楽しめる娯楽傑作！

『EASTERN PROMISES』監督：デヴィッド・クローネンバーグ／出演：ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ／100分／初夏、シャンテシネ、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
http://www.easternpromise.jp/
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/11.html</link>
			</item>
	<item>
		<title>『譜めくりの女』</title>
		<description><![CDATA[
タイトルに惹かれて出かける。譜めくりって、禁欲的でそそられますね。主人公の譜めくりの女のなーんとも暗い面持ちが強烈。あとで解説を読むと、『ある子供』のあの少女だった。いつも暗い顔だ。衣装がとてもよくて、フランスのセレブな人の普段着を堪能。画面で観ていても肌触りの良さが伝わってくる。この話を川端康成が書いていたら、シャブロルが撮っていたらどんなふうだろうか。もっと性悪な女に描いただろうか。

『LA TOURNEUSE DE PAGES』監督：ドゥニ・デルクール／出演：カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ／4月19日～シネスイッチ銀座、渋谷シネ・アミューズにてロードショー
http://piano.cinemacafe.net/
]]></description>
		<link>http://www.littlemore.co.jp/hiroba/prickle/mozomozo/10.html</link>
			</item>
</channel>
</rss>

