街角!ハンサムさん!!梅 佳代

街角の奇跡を瞬時に捕らえる写真家・梅佳代が街の風景に溶け込みきれないハンサムさんをカメラで捕獲

第3回のハンサムさんは、銀座の某セレクトショップ店員の桂(けい)くんです。店内で靴の試着をしていた編集Tが、ジュノンボーイのような彼の容姿を前に、思わず取材を申し入れてしまったことを聞いた梅さん。そのエピソードに何かを感じたのか、男運の悪いTのためにひと肌脱ごうとしますが……。

第3回:銀座のジュノンボーイ、桂(中目黒)

ハンサムさん


  • 名前:桂
  • 年齢:24歳
  • 身長:175cm
  • 出身:長野
  • 職業:セレクトショップ販売員
  • 好きな芸能人:長澤まさみ
  • 嫌いな食べ物:ない
  • 好きなお笑い芸人:さまぁ~ず
  • 一番目に好きな色:青色
  • 二番目に好きな色:黒色
  • 三番目に好きな色:黄色
  • 初恋の人は?:幼稚園で同じクラスの女の子

Q&A

中目黒のカフェにて
(以下、け=桂くん梅=梅佳代さん、T=編集T)
東京を知らないシティボーイ
  • 梅:出身は?
  • け:出身は長野なんだけど、小さい頃にすぐ東京の方に引っ越して、それからずっと東京です。
  • 梅:じゃ、東京の子供ってこと? シティボーイやね。
  • け:でも、あんまり東京を知らなくて。
  • 梅:じゃ、田舎モンやね。
  • T:極端ですね(笑)。
  • 梅:東京で行ったことないところある?
  • け:いっぱいある! 鎌倉とか、江ノ島とか……。
  • T:思いっきり神奈川ですね。
  • け:あ! いやでも、浅草とかも行ったことないです。行ったのかもしれないけど、まったく記憶にない。
  • T:なんか、残念ですね。
  • 梅:じゃ~好きな漫画は?
  • け:『NARUTO』と『ONE PIECE』。
  • 梅:私まだ『NARUTO』読んだことない。妹が面白いよって言ってたけど。っていうか若いよね? もしかして妹と同い年? 何歳?
  • け:24です。
  • 梅:やだ~妹と同い年やったんや! じゃ、私が中1のとき小1やったんや!
  • け:はい……たぶん。
  • 梅・T:おぉ……(年の差におののく二人)。
  • 梅:あたし中学生の頃、妹から「カリスマ」って呼ばれとってん。
  • け・T:カリスマ!?
  • 梅:当時、妹にとって私が頂点やったから。
  • け:はぁ。
  • 梅:私も妹大好きやったから、学校の帰り道とか妹とか、そのクラスメートに声かけ過ぎて、妹はクラスの男子たちに「お前のねーちゃん変やぞー」とか言われて。かわいそうに(笑)。
  • T:かわいそうにって言いながら笑ってますよ。
  • 梅:そんな妹もこのあいだ結婚したんだよ! あ、妊娠してないよ。
  • け:はい(苦笑)。
  • T:誰も聞いてませんよ(笑)。
  • 梅:やっぱ、小学生の頃SPEED好きやった?
  • け:あ~好きでした。周りでも流行ってたし。みんな、SPEEDかポケモンでした。
  • T:ずいぶん異質な二択ですね。
ハンサムの古傷
  • 梅:モテるんやろ? 本当のこと言っていいよ。
  • け:いや、ないっすね。
  • 梅:男の人から好きって言われたことは?
  • け:ないっすね(笑)。
  • 梅:中学のときとか、一回くらい自分のことかっこいいと思ったことあるやろ。
  • け:いや、本当にないっすね(笑)。
  • 梅:え~高校の時は?
  • け:高校の時から格好に気を遣いはじめました。ワックスつけたり――
  • 梅:あ、今、イントネーション違った。
  • T:確実に「ク」にアクセントがついてましたね。
  • 梅:さすがシティ派の若者やね。高校の時の部活は?
  • け:サッカー部。
  • 梅:ほら! やっぱり。サッカー部だったら絶対モテるやろ。
  • け:でも、入ってすぐに全治3カ月の怪我をして、1カ月入院しちゃったので。
  • 梅:入院、似合いそう。
  • T:不謹慎ですよ(笑)。
  • け:足の腱を切っちゃって。もう片方の足にある腱を縦に半分にして、それを切ったところに移植して……。
  • 梅・T:うわあ~。
  • け:普通の人より腱が細いから、ちょっとの衝撃ですぐにまた切れるんです。それからサッカーは断念しました。
  • 梅:そうなんや~、残念やったね。
  • け:でも、退院後はしばらく3時限目からの登校だったし、席を譲ってもらえたりしたし。
  • 梅:か弱そうなところが一層ハンサムっぽいね。
  • T:ですね。
鉄壁のプロフェッショナリズム
  • 梅:好きなジョ(女性)のタイプは?
  • け:えっ、あ、長澤まさみ。以前、街で見かけたことがあって、かわいかったから。
  • 梅:分かる! 会うと好きになるよね! 芸能人のお客さんとか来るでしょ? そういう時どうするの? 「あっ!」とか言うの?
  • け:そういう態度をとるとお客さんにつけないから、何でもない素振りをしたり……。
  • 梅:えっ、お客さんと付き合うの!?
  • T:いやいや、「お客さんと付き合えない」じゃなくて、「お客さんにつけない」です。
  • 梅:なんだ~。でも、お客さんから誘われたことある?
  • け:ないですね。
  • 梅:でも、今回お店の中でTに声かけられたんやろ?
  • け:はい。
  • 梅:どう思った?
  • け:どうって……。
  • 梅:怖くなかった? 何この人って思わんかった? だって、低い声で街角ハンサムさんとか言ってくるんだよ。怪しいやろ。
  • け:いや、大丈夫でしたよ(笑)。
  • T:ですよね? よかった……怖いこと聞かないでくださいよ、梅さん!
  • 梅:でも、Tが声をかけたってことは、Tのタイプってことやろ?
  • T:まあ、でも年の差が……いや、そういう下心はないですからっ! この企画、完全に無為の心で臨んでますから。
  • 梅:ふ~ん。年上とかどう?
  • け:いいですね。年下はこりごりなので。
  • 梅:こりごりって、前に何かあったの?
  • T:深追いはやめておきましょう。
  • 梅:Tとかどうですか?
  • け:はは(笑)。
  • 梅:お客さんと付き合いたいと思ったことある?
  • け:ないですね。考えたこともないです。
  • T:……そういうもんなんですね。
  • 梅:残念やったね、T。
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おまけの写真
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編集後記

待ち合わせ場所の中目黒駅、改札口。ひと足早く到着した私Tが待っていると、初めて会った時からガラリと雰囲気の変わった桂くんが現れました。金髪&ショートだった髪が黒髪&ボブに。かわいい系からクール系に転向していました。

湯呑みのお茶を、当然のようにストローで飲む梅さん

【初めて会った時】

 ハンサムの不意なイメチェンにドキリとしながら二人で世間話をしていると、電車から降りた人の波の中、青白い顔の梅さんが人の波間に消えたり現れたりしながら、ゆっくりとした歩調でやってきました。いつもは小走りで駆け寄って来てくれるのに、なんだか様子がおかしい。
 「どうしたんですか!?」と聞いてみると、その日は朝から具合が悪いとのこと。体調が悪いのを押してやって来てくれたのでした。
 
 それでは、まずは座りましょうということで、目黒川沿いのカフェへ。たまたま入ったカフェはオーガニックを売りにしているところで、店内のショーケースには素材にこだわった美味しそうなケーキが並んでいました。
 席に着き、「とりあえず、温かいお茶にしときます?」と梅さんに聞くと、具合の悪いはずの梅さんはなぜかメニューのケーキのページを凝視しています。あれ? まさか? 店員さんがやって来ると、「具合悪いんやけど……」と前置きしながらおずおずとケーキセットを注文。出されたケーキをひと口食べると、元気が出てきたのか、いつもより低いテンションではあるものの、軽快に質問を繰り出しはじめる梅さん。さすがです。

 しかし元気が出過ぎたのか、インタビューが進むにつれ、だんだん話の方向が怪しい方向へ。何やら、私とハンサムさんの仲を取り持とうとしている様子。いやいや梅さん、ありがたいけど困ります、と思いながら少し期待しつつ話の行方を見守っていると、最終的に「残念やったね、T」という結果に。
 なんだか、告白する前にフラれた気分のTでした。

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プロフィール



梅 佳代

1981年石川県旧柳田村生まれ。日本写真映像専門学校卒業。キャノン写真新世紀で「男子」(2000年)「女子中学生」(2001年)がそれぞれ佳作を受賞。2007年、写真集 『うめめ』で第32回木村伊兵衛写真賞受賞。『UMEP』『じいちゃんさま』『男子』(いずれもリトルモア刊)他。最新写真集『UMEP』が絶賛発売中!

編集T

本企画における梅さんのお付き役。梅さんと同い年だが、壮年男性並みの低音ボイスとそれ以上に低いテンションの持ち主。しかし、ハンサムへの質問に対しては伝説の 芸能レポーター、故・梨元勝氏並みのがっつきを見せる。