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No.5 2009 Early Summer



2009年4月22日発売
定価 1200円+税
ISBN 978-4-89815-267-6

目次

Column[1] 夜間飛行 宇宙をみる 二階堂和美
Column[2] 伝わらない言葉 表現力の差 土屋賢二
Column[3] 眠りの国 「ただ眠る」まで 松たか子
Illustration:前田ひさえ
特集 からだ、あります。
 
ぼくのからだ 絵:小橋陽介
からだで遊んでいます カメラ:佐内正史
 
〈からだ小説〉
山崎ナオコーラ 耳が伸びて
◇ 私は四角い。折れ曲がってる。ごはんは電気。あの人の声が好き。
石黒達昌 足
◇ 3年生のとき海で溺れかかった。必死で叔父の左足にしがみついた。
その叔父の、膝から下がいま僕の家の冷蔵庫に入ってる……

 
〈からだポエム〉
横浜聡子 ありしひあのこ
 
〈部位別・からだエッセイ〉
横尾忠則 顔面崩落
蜂飼 耳 舌の残像
近田春夫 手相ってそうなの?
近藤良平 足のうらの話
束芋 皮膚のひろがり
服部文祥 背中の声
平野啓一郎 《小悪魔》たちの大きな目
 
〈舞踏家・竹之内淳志の身体〉
戌井昭人 時間がビュンビュン飛んでくる
写真:野村佐紀子
◇ 森羅万象が転移したかのような身体とその動きを、
鉄割アルバトロスケットの戌井昭人が目撃する。

 
〈からだブックガイド〉
瀬名秀明 私たちのすべて
堀江敏幸 手首のあるなし
武藤康史 女の足と乳房と骨など
 
〈科学者からの手紙〉
バーチャルリアリティ研究者 岩田洋夫 「からだはだませない」
新連載
読み切り小説
津村記久子 わたしの六曜日
◇ 何が大安だというのだ。死ななかったことか。
――六曜にとらわれるあまり、素っ頓狂なビートを刻みはじめたわたしの毎日。
津村節が炸裂する短篇新連載!
連載 保坂和志 遠い触覚 第5回『インランド・エンパイア』へ(4)
◇ リンチの映画のどこにそんなに惹かれてしまうのか?
というわけで、ゆうべ小説家はまた『マルホランド』を観た。
小説 東 直子 甘い水 第5回
◇ 淡い淡い記憶でつながる不思議な“水”の物語。
コラム ECD 幸福の追求 第5回 ゼイタクな床屋
◇ ラッパーECD、散髪の費用対効果を考える。
―― 日本映画のStrange Wave!『ウルトラミラクルラブストーリー』
上野昂志 生死の彼岸→陽人は超人か?
◇ 『ジャーマン+雨』で衝撃的デビューを飾った横浜聡子の新作論。
いまこの時代に、すべてを肯定するとはいかなることか。そして動き出した世界とは?
新企画! VIEW VIEW BOOKS[1] 絵:HIMAA
読んで描く。イラストによる新刊紹介
ノーマン・ロック著、柴田元幸訳『雪男たちの国』/三崎亜記『廃墟建築士』/生田紗代『ぬかるみに注意』
―― 至るところで 心を集めよ 立っていよ 写真・文:清野賀子
◇ 新作が照らしだす、孤高の写真家の境地。
連載 東野翠れん イスラエルに揺れる ペーラッフ 第5回
◇ 母の生まれた地イスラエルにそよぐ風、さんさんと光る太陽、飛び舞う花……。
連載 蓮實重彦/黒沢 清/青山真治 映画長話 第4回 恐いこと、怖い人
Photography:二石友希
連作 読み切りホラー 宮崎誉子 真夜中に
◇ バイト登録に向かったユキとサエコ。
待っていたのは変わった帽子の男と恐怖のPC作業だった……。労働+恐怖!
翻訳 小説は世界の彼方に 第5回 児島康宏 選・訳 ゴデルジ・チョヘリ「忘却の川」
◇ 梨の苗木と義足の男、未来を告げるジプシー。谷間の村にある日、見知らぬ者がやってきた。
連載 宇野邦一 思考の漂流物ABC…… 第5回 Marchand 商人/Naissance 誕生/Oblique 斜線
Essay ハンナ・フシハラ・アーロン/真部脩一/木村俊介/山下澄人
連載 秦 早穂子 影の部分 第5回 二合三勺/蔦のからむ家
◇ 1950年代パリに渡った筆者。戦争直後の日本と、ヌーヴェル・ヴァーグのパリ。
連載エッセイ 桐江キミコ 第5話 魚の小さな尖った骨
◇ 私の、あの人の、人生が一瞬、目の前にともる。ニューヨークから届いた”点心エッセイ”。
小説 いしいしんじ 雪 第4回
◇ 伯母からもらった古いカメラをお辞儀するような格好で胸に構え、十歳の慎二は雪にあう。
連載 北村道子 北村道子の人生指南 第5回 Photogrphy:間部百合
◇ 画家は下半身から! まず靴下を履くべし。
連載 大竹昭子 眼のエイリアンズ―90年代写真家の鼓動 第5回 蜷川実花

参加作家プロフィール(五十音順)

青山真治(あおやま・しんじ)
映画監督
1964年福岡県生まれ。監督作『Helpless』『EUREKA』『サッド ヴァケイション』他。小説『エンターテインメント!』他。最新監督作『赤ずきん』
いしいしんじ
作家
1966年大阪府生まれ。『うなぎのダンス』『白の鳥と黒の鳥』『ポーの話』『みずうみ』他。近著『四とそれ以上の国』
石黒達昌(いしぐろ・たつあき) 1961年北海道生まれ。小説家、医師。89年「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞。『平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……』『新化』『人喰い病』『冬至草』『ハローマッチング』など。
ECD(いーしーでぃー)
ラッパー
1960年東京都生まれ。アルバム『FUN CLUB』他。著書『失点イン・ザ・パーク』『ECDIARY』『いるべき場所』。ニューアルバム『天国よりマシなパンの耳(仮題)』夏までにはリリース予定。
戌井昭人(いぬい・あきと) 1971年生まれ。パフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」主宰。作家、俳優としても活動。「新潮」09年3月号掲載の「まずいスープ」が話題に。
岩田洋夫(いわた・ひろお) 1957年東京都生まれ。筑波大学教授。バーチャルリアリティ技術、なかでも触覚をはじめとする身体的な感覚を活用するメディア技術の研究を行っている。
上野昂志(うえの・こうし) 1941年生まれ。評論家。日本ジャーナリズム専門学校校長。著書『映画全文―1992~1997』『ええ音やないか―橋本文雄・録音技師一代』『肉体の時代―体験的’60年代文化論』『鈴木清順全映画』など多数。
宇野邦一(うの・くにいち)
フランス文学・思想
1948年島根県生まれ。立教大学現代心理学部教授。ドゥルーズ、アルトー、ベケット等の訳書、著書多数。最新刊『ハーンと八雲』
大竹昭子(おおたけ・あきこ)
文筆家
1950年東京都生まれ。『この写真がすごい2008』他。朗読イベント「カタリココ」主宰。最新刊は短編集『随時見学可』。イベント情報等詳細は紀伊國屋書店ブログ「書評空間」大竹欄で。
北村道子(きたむら・みちこ)
スタイリスト
1949年石川県生まれ。映画、CM、PVなどで活躍。著書『衣裳術』
木村俊介(きむら・しゅんすけ) 1977年東京都生まれ。インタビュアー。著書『変人』、聞き書き『調理場という戦場』他
桐江キミコ(きりえ・きみこ)
作家
ニューヨーク在住。短編小説集『お月さん』が話題に。
黒沢 清(くろさわ・きよし)
映画監督
1955年兵庫県生まれ。監督作『CURE』『アカルイミライ』『叫』他。『トウキョウソナタ』が香港国際映画祭第3回アジア・フィルム・アワードにて作品賞、脚本賞の2冠に。最新出演作『オカルト』全国順次公開中。
児島康宏(こじま・やすひろ)
翻訳家
1976年福井県生まれ。訳書『僕とおばあさんとイリコとイラリオン』は、グルジア語原典からの初の邦訳書。グルジア映画の字幕監修なども数多く手がける。
小橋陽介(こばし・ようすけ)
画家
1980年奈良県生まれ。自画像を描く。なんでもこれ自分って言うて自分入ってればそれ自画像ってゆって。
近藤良平(こんどう・りょうへい)
振付家・ダンサー。
ペルー、チリ、アルゼンチン育ち。学ラン姿のダンス集団コンドルズ主宰。5月、彩の国さいたま芸術劇場にて新作『白と黒のナイフ』公演予定。
佐内正史(さない・まさふみ) 
写真家
08年2月に写真集レーベル「対照」を立ち上げる。4月29日昭和の日に最新写真集『EVANOS』(CR EVANGERION NOSTALGY)発売予定。
清野賀子(せいの・よしこ) 1962年、東京生まれ。1987年、中央公論社入社。稀代のファッションディレクター小指敦子氏のファッションページと、安原顯氏の文芸路線が混淆し、「女装する文芸誌」とも呼ばれていた時代の『マリ・クレール』編集部で仕事をする。90年代に入って写真を撮り始め、中央公論社退社後の1995年より本格的な写真活動に入る。主な個展に、1998 年コム デ ギャルソン本店、1999年ギャラリー小柳「Emotional Imprintings」、2003年スイスのヴィンタートゥアー写真美術館「The Sign of Life」、2008年ギャラリー・トラックスとプンクトゥムにて「a good day, good time」。そのほか国内外のグループ展に参加。2002年に写真集『The Sign of Life』(オシリス刊)。
瀬名秀明(せな・ひであき) 1968年静岡県生まれ。作家。『パラサイト・イヴ』『ロボット21世紀』『デカルトの密室』『おとぎの国の科学』『エヴリブレス』他
竹之内淳志(たけのうち・あつし)  1962年三重県生まれ。舞踏家。80年“北方舞踏派”に入門。86年、「自然」より広く全てを意味する「じねん」というコンセプトでソロ活動を開始。96年~99年、様々な土地風土、人や音楽から感じたままを即興で踊り、日本全国をまわる。この間に大野一雄・慶人の宇宙観に触れ師事。ヨーロッパ・アジア12ヶ国を巡った後、現在もヨーロッパを拠点として世界中を巡り、踊りつづける。
束芋(たばいも) 1975年兵庫県生まれ。現代美術作家。アニメーションを用いた映像インスタレーションなど、多様な手法で作品を制作。グリム童話『カエルの王さま または鉄のハインリッヒ』(’05)のイラストも手がける。
近田春夫(ちかだ・はるお) 1951年東京生まれ。ロックンローラー。75年に近田春夫&ハルヲフォンとしてデビュー。著書に『気分は歌謡曲』『考えるヒット』『僕の読書感想文』がある。
土屋賢二(つちや・けんじ) 1944年生まれ。哲学者。お茶の水女子大学教授。著書『ツチヤ教授の哲学講義』『ツチヤの貧格』『ツチケンモモコラーゲン』 (さくらももこと共著)など多数。「週刊文春」大人気連載『ツチヤの口車』長期続行中!
津村記久子(つむら・きくこ)
作家
1978年大阪府生まれ。『君は永遠にそいつらより若い』『カソウスキの行方』『婚礼、葬礼、その他』『ミュージック・ブレス・ユー!!』他。『ポトスライムの舟』で第140回芥川賞を受賞。最新刊『八番筋カウンシル』
二階堂和美(にかいどう・かずみ)  1974年生まれ。歌手・僧侶。広島県在住。最新作はカバーアルバム『ニカセトラ』。自身が主催するイベント「堂脈」も今春より始動。
蜷川実花(にながわ・みか)  東京生まれ。30冊以上の著書の他、07年に映画『さくらん』を初監督。08年11月開催の「蜷川実花展―地上の花、天上の色―」(東京オペラシティアートギャラリー)は入場者記録を大きく更新し全国を巡回中。「木村伊兵衛写真賞」「VOCA展大原美術館賞」他受賞歴多数。
野村佐紀子(のむら・さきこ)
写真家
1967年山口県生まれ。写真集『裸ノ時間』『愛ノ時間』『黒猫』『tsukuyomi』『近藤良平』。最新刊『黒闇』『夜間飛行』
蓮實重彦(はすみ・しげひこ)
映画評論家
1936年東京都生まれ。『映像の詩学』『監督小津安二郎』他多数。近著『映画崩壊前夜』『映画論講議』『ゴダール マネフーコー』
蜂飼 耳(はちかい・みみ) 1974年神奈川県生まれ。詩人・作家。詩集『食うものは食われる夜』『隠す葉』他。小説『紅水晶』『転身』。童話『のろのろひつじとせかせかひつじ』。エッセイ集『秘密のおこない』他
秦 早穂子(はた・さほこ)
エッセイスト
1931年東京都生まれ。『シャネル20世紀のスタイル』『パリの風のなかで』『映画、輪舞のように』(共著)他
服部文祥(はっとり・ぶんしょう) 1969年神奈川県生まれ。サバイバル登山家。『サバイバル登山家』『サバイバル!』
ハンナ・フシハラ・アーロン  1973年生まれ、ニューヨーク育ち。ショップ“HaNNa”のクリエイティヴディレクター兼バイヤー。趣味は動物保護、ヴェジタリアン料理、オーガニックガーデニング。
東 直子(ひがし・なおこ)
歌人・作家
1963年広島県生まれ。歌集『春原さんのリコーダー』『愛を想う』他。小説『長崎くんの指』『とりつくしま』『さようなら窓』他。最新刊『ゆずゆずり』
東野翠れん(ひがしの・すいれん)
フォトグラファー・モデル
1983年東京都生まれ。ポートレート撮影などを手がける一方、モデルとしても活躍。作品集『ルミエール』、共著『縷々日記』。「ap bank radio THE LAST WAVE」(TOKYO FM)に出演中。
HIMAA(ひま)  1976年生まれ。アーティスト。作品集に『UNFOLD』(ユトレヒト)『1177』(Nieves/スイス)。京都Sferaにて5/17まで、新作個展”INSTALLATION SET”開催中。
平野啓一郎(ひらの・けいいちろう) 1975年愛知県生まれ。作家。『日蝕』『葬送』『あなたが、いなかった、あなた』『決壊』他。最新刊『小説の読み方~感想が語れる着眼点~』
二石友希(ふたいし・ともき) 
写真家
ポートレイトを中心に、雑誌、単行本、演劇ポスターなどの撮影を行う。先日閉館した新宿・シアタートップスの最終公演では最後の写真撮影を担当。
保坂和志(ほさか・かずし)
作家
1956年山梨県生まれ。『カンバセイション・ピース』『小説の誕生』他。近著『小説、世界の奏でる音楽』
堀江敏行(ほりえ・としゆき) 1964年岐阜県生まれ。作家。『郊外へ』『おぱらばん』『子午線を求めて』『回送電車』他。訳書『踏みはずし』他
前田ひさえ 1978年和歌山県生まれ。個展『RecklessNight』『かがみねこ』。4月26日まで青山のNOW IDeA by UTRECHTで4人展『Classic』
松 たか子(まつ・たかこ) 1977年東京都生まれ。女優。『父と娘の往復書簡』(共著)が発売中。5月よりミュージカル『ラ・マンチャの男』に出演。今秋公開の映画『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』では主演を務める。
間部百合(まなべ・ゆり)
写真家
1976年神奈川県生まれ。『Tokyo Look Book』『Secret Phantom』等の書籍に参加。09年2月には『InvisibleDiversity ボルネオで出会ったフォトグラファー展』を企画、出品した。
真部脩一(まべ・しゅういち) 1985年生まれ。ミュージシャン。相対性理論、tutu helvetica等にて活動中。アルバム『ハイファイ新書』他
宮崎誉子(みやざき・たかこ)
作家
木更津カフェ(まろね)素敵&美味しくメロメロシフォンケーキ絶品!「かもめ食堂」のようにカフェで読まれる物語に憧れます。
武藤康史(むとう・やすし) 1958年生まれ。評論家。著書『国語辞典の名語釈』『旧制中学入試問題集』『文学鶴亀』他。編著に里見弴『秋日和・彼岸花』、『林芙美子随筆集』他
山崎ナオコーラ(やまざき・なおこーら) 1978年福岡県生まれ。作家。『人のセックスを笑うな』で第41回文藝賞を受賞しデビュー。著書に『カツラ美容室別室』『長い終わりが始まる』『論理と感性は相反しない』他。4月27日に『男と点と線』を刊行予定。
山下澄人(やました・すみと)  1966年兵庫県生まれ。劇団FICTION主宰。富良野塾を経て、96年 FICTIONを結成。近作「しんせかい」。7月、新作公演を予定。
横尾忠則(よこお・ただのり)  1936年兵庫県生まれ。美術家。小説『ぶるうらんど』で2008年度の泉鏡花文学賞を受賞。今年は8月1日から11月3日まで金沢21世紀美術館で個展が開催される。
横浜聡子(よこはま・さとこ) 1978年青森県生まれ。映画監督。初長編『ジャーマン+雨』(’06)が、日本映画監督協会新人賞を受賞。最新作『ウルトラミラクルラブストーリー』は6月より、ユーロスペース他全国順次公開。ちなみに「せばね」は津軽弁で、「じゃあね」という意味。