blog

真夜中BOOKS、小野正嗣著『夜よりも大きい』

8月2日21時すこし前、帰宅途中の小野正嗣さんと、代々木上原の文教堂書店で待ち合わせ。
駅前のちいさなお店で夕飯を食べながら単行本の打ち合わせをしました。
 
小野正嗣さんは、「真夜中」創刊号からNo.4まで
「くだかれた生のかけら」というタイトルで短篇連作小説を連載してくださいました。
この4回の連載と、その前後にほかの雑誌に発表した短篇をあわせて、単行本を準備しているのです。
本のタイトルは、雑誌連載時とはかわって、『夜よりも大きい』。
 
それぞれの短篇小説は、ひとつひとつ独立していて各々一篇ずつ区切りながら読み進めることができますが、
小説の背景というか、背後に流れる感触というか、その世界は、共通しています。
 
夜よりも大きいもの、大きな脅威に、
生をおびやかされ、虐げられた子供たちとその母親は、
それでもいかにしてこの世界で生きているか。
名もない兄妹が、ぎゅっとつかんで放さないものはなにか。
何か知れない大きな音が鳴り響くとき、この小さな者たちは……。
 
今日小野さんにお目にかかったのは、雑誌に発表した各短篇のテキストを
単行本収録順に並べかえすべて通して読み返して、直しを入れてくださったゲラを受け取るため。
雑誌に載ったときにすでに一度しっかり校正をしているはずなのに、
再度かなりこまかく丁寧に全体をご覧くださっていて、
感激するとともに身の引き締まる思いがしています。
 
用件がひと段落つくといつも小野さんは、
最近出た翻訳小説や、近頃観た映画のことなど、いろいろお話しくださいます。
すごい読書量だなぁと驚かされながらさまざまな本のお話を伺う、幸福な時間です。
ピンチョン、難しいけどすごいよ、と、
気になりつつまだ買っていなかった『トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン』のお話を伺うにつけ、
読書欲がぴりぴり刺激された夜でした。
 
「真夜中」発、単行本『夜よりも大きい』鋭意制作中です! (編集部F)