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真夜中BOOKS・伊佐山ひろ子著『海と川の匂い』トークショー

日曜日の夕方。青山ブックセンター本店で、
伊佐山ひろ子さんの14年ぶりの著書 
『海と川の匂い』刊行記念トークショーが行われました。
 

 
伊佐山さんは、“べべ”の愛称で親しまれ、70年代の日活ロマンポルノを強烈な存在感で彩った女優さんです。
その後も多くの映画やテレビに出演されています。
 
『海と川の匂い』は、伊佐山さんの「真夜中」での連載に書き下ろしを加えた短篇集で、
「撮影中の監督さんの言葉や風景が映像として頭の中に残っていて、もう一つの映画を観ているように感じていた。
頭の中にある映像を、書きとめて、それを読み直して、また書きくわえて、という風に出来上がった本」
とお話しされていました。
 
この日ゲストとして登場いただいたのは、テレビドラマ『週刊 真木よう子』『モテキ』などを手掛ける
大根仁監督と、映画『童貞。をプロデュース』『ライブテープ』などで注目を集める松江哲明監督です。
 
映像作家であるお二人から伊佐山さんに投げられる質問と、
伊佐山さんのフィルモグラフィーの中からピックアップされたいくつかの名場面を観ながら、トークは進みました。
 
デビュー作『白い指の戯れ』や、主人公のはるみを演じた『一条さゆり 濡れた欲情』などの代表作をはじめ、
『北の国から ’84夏』のラーメン屋の店員など、伊佐山さんの名シーンを振り返りながら、
撮影中の裏話もお話しくださいました。
 
私にとって特に強烈で、『海と川の匂い』の書き下ろし短篇「ポルノ」にも登場するエピソードが、
ポルノ映画で“前バリを貼らない”こと。松江さんにそのことについて聞かれると、
「だって、はがす時痛いし、みっともないじゃない」と伊佐山さん。
本の中では、「肉でできたバービー人形のようになるのは、ぜったい恥ずかしくて嫌だ」
と書かれています。伊佐山さん曰く、男性が必ず前バリをするので、問題はないそう。
 
また、『昭和枯れすすき』の吉永小百合さんとの共演シーンで、
台詞は平気で言えるのに、手の震えが止まらなくて何度も何度も撮り直し、
緊張で呼吸ができていないのではと気遣ったスタッフから酸素ボンベを持ってこられ
戸惑ったというエピソードは、笑い話のように話されていましたが、
女優業の苛酷さを垣間見た気がしました。
 
ゲストの大根仁監督の作品『アキハバラ@DEEP』(2006)の“伝説のメイド”役も映り、
貫録のある風貌で、黒のワンピースに白いフリルのエプロンを着こなし、
スカートの下にはいた虹色の毛糸のパンツ(“伝説のメイド”の象徴)をダイナミックに披露するシーンで、
会場を沸かせる場面もありました。
 
映画の中でもかわいらしい衣裳が印象的でしたが、
この日も素敵なミニのワンピースにショートブーツでご登場され、
そのチャーミングさと女性らしさに魅了された2時間でした。
(編集部H)
 

『海と川の匂い』
伊佐山ひろ子
¥1680(税込)