『ウマと関る −もう一つの馬物語−』 横濱道成 著
『ウマと関る −もう一つの馬物語−」という本が最近出て、「もう一つの」ってなんだろうって思って手を取りました。著者は、東京農大教授で農学博士、馬の血液型研究や、サラブレッドの遺伝子研究などを長年行ってきた方なのだそうです。それで「もう一つの」は、どうやら「一般的に言われている馬のこと」に対してのもう一つで、Wordで打ったようなページの全てから、自分だけが語れるウマへの愛が溢れています。
馬の目線から書いたんじゃないかとも言っていいくらいの偏愛さで、例えば、「馬の顔はまさしく馬面である。~人間には馬面は似合わない。馬面はウマだから様になる顔相である。」という一文がいい味わいです。
他にもウマにまつわる全てが、彼の体験を通して書かれています。眠い時はウマは半目になるが、その表情を見られるのを恥ずかしがるなんてこととか。
馬のことよりも、馬のことをここまで考える著者に興味が出てくる、そんな本。