『旅はゲストルームⅡ 測って描いたホテル探検記』浦一也 著

 旅先で一番心ほどける瞬間を考えたら、僕は迷うことなく「ホテルの部屋に入ってくつを脱いでベッドに体をどーんと投げ出した時。」と答えます。
 しかし、建築家・インテリアデザイナーの浦一也さんの場合は、部屋に入ってからが仕事の始まり。部屋を隅から隅まで歩きまわり、メジャーを手に部屋の各所を測り、デスクの引き出しからロゴ入りのレターペーパーを取り出し、実測図を描いていきます。泊まったホテル・ゲストルームでは必ず測って描いてコレクションします。そのメジャリング歴、なんと30年以上。気になるホテルが同じ町に2つあれば一晩に2回チェックインしたり、新婚旅行の日も奥さんにメジャーを持ってもらい測ったというから筋金入りです。
 その後がやっと彼のほどける時。町へ食事に繰り出したり、部屋でゆっくりしたり。
「解く」と書いて「とく」とも「ほどく」とも読みます。天井から見た細かいこの絵からどれだけのことをイメージできるかは読む人の読み解き次第です。