『TSUTSUI’S STANDARD 筒井さんの子ども服』ホームスパン 編集/瀬高早紀子 取材・文/戎康友 写真

 花びらの舞うワンピースの表紙写真が印象的なこの本は、1960年代後半から80年代にかけて、筒井喜久恵さんによって作られた、3人の子どものための服、92点を収録した本です。
 普通の主婦だった彼女は、子どもが生まれて市販の教則本の通りに服を作ってみたそうです。でも、自分が作りたい服、この子に着せたい服とは何か違う。そこで、オリジナルの服作りをはじめます。
 過度に飾ったり、何かを隠し覆ったりするためではなく、純粋にその子のことを思って、その子が毎日を楽しくするための服。
2人の姉妹のために作った服は、作りながら形も色の組み合わせも変えていったといいます。カラフルな生地で作ったワンピースやスカートはもちろん素敵ですが、かぎ編みでぐるぐるっと作った帽子や水着がまた最高です。姉妹で微妙に違うボタンだったりしつらえだったり、見ている方もうれしくなります。
 長女が手作りの服から卒業する頃に生まれた男の子には、今度は民族衣装の要素が持ち込まれて、これがまたアヴァンギャルドでカッコいい。

 3人の子どものために作ったものだからとずっと手元に服を持ち続けた筒井さんと、3人の女性が本当に服のことを考えながら運営しているブランド、homspunが出会って、この本の出版に至ったのも、偶然のような必然だと思いました。