『ウー・ウェン流 おかず2品のお弁当』ウー・ウェン 著
一つのお弁当に最低6品のおかず、さらにごはんもたこめしにするなど、これでもかと盛るchiobenとは対極の、肉か魚のたんばく質、野菜、そしてごはんを1/3ずつ、3つのパーツでお弁当が完結する。という潔さに痺れました。
でも、そのお弁当が決して単調なわけではなく、素材の組み合わせ、味付け、詰め方、でバリエーションをもたせているのがこの本の見せ所。
こってりトマトソースのハンバーグの横には、シンプルにじゃが芋とにんじんを焼いたもの、そしてごはんは別の弁当箱にたっぷりと。
と、思えば、カジキを使ったとろみのあるカレーをごはんに載せて、つけ合わせは夏野菜の黒酢風味といった具合。
それぞれのコントラストが見事です。
「余分なものは入れず、こねくり回さず、奇をてらわず」というマニフェスト的な巻頭の文は、人生全てのことに通用しそうな教えで、無駄でできているような僕は、「さすがはウー・ウェン先生」とひれ伏す思いで拝読したのでした。