『THINGS COME APART』Todd McLellan 著

 カナダのトロントで、大工や電気技師を経て写真家になったトッドは、その経歴から想像がつくように、子供の頃から工業的な道具が大好きでした。
 大人になって彼がよく見るようになったのは、日本人が運営するMacの”バラシ”サイト。Mac本体を分解して、構造や使われているパーツなど、表も裏も全部見せてしまうというサイトです。
 そもそもは自分でHDなどのパーツを交換する人のために行われていた”バラシ”ですが、見えないところまでもデザインするというスティーブ・ジョブズの哲学からか、機能が凝縮したPCパーツの無駄のない美しさからか、おそらくその両方が彼を虜にします。

 彼は身の回りの道具を分解し、裏の裏、部品の一つ一つまでを整然と並べ、写真を撮るようになりました。
 この本『THINGS COME APART』に収められるのは、黒電話からコンピューター、電動工具、カメラ、時計……、果てはピアノや飛行機まで約50種類。
 限られたスペースに最大限の機能を詰め込むために計算し尽くされた構造美を、ダイナミックに並べた彼の写真は、まさに現代の解剖学。古いものには、パーツ同士が物理的に関連して機能を形作る美しさがあり、新しいものには、ハイテク基板とそれを収める筐体との全く無駄の無い連携という見どころがあります。
 まるで人体の神秘を見るような彼の写真はウェブサイトでも一部見ることが出来ます。