『世界のともだち カンボジア』古賀絵里子 著

 結婚をして、子供もどんどん大きくなってきて、外から見ればいっぱしの家庭ってことにはなってはトルいるのだけど、今でもこれが「家庭」で、僕がやっているのが「父親」で合ってるんだろうかと思うことがあります。父親を早くに亡くしていることもあって、父親のなり方は誰も教えてくれません。
そもそも世界の父親たちはどんな風に父親をしているのでしょう?
「世界のともだち」は偕成社の80周年を記念して発刊がはじまったシリーズです。世界36カ国で写真家が滞在し撮り下ろした、だれかの毎日。ある家の子どもを中心に、家族や学校の友だちなど身近な人たちとの暮らしが、写真と共に綴られます
 何冊か父親に注目して読んで見たのですが、世界の父親、みんな頑張ってます。
 ルーマニア北西部、人口約500人の小さな村でとうもろこしやジャガイモを畑で育てる12歳の 女の子アナ・マリア。お父さんは自分の畑で農業や酪農を行う傍ら、元家具職人の腕を生かしてちょっと頼まれた家具や道具などを作っています。(ルーマニア)
 ヘルシンキ郊外、ラスティラに家族5人とペット3匹と暮らすカオリ。父のケンはヘルシンキで警察官をしています。フィンランドでは平等に家事をするのが習慣で、料理も彼が半分はしています。(フィンランド)
 ブラジル、リオデジャネイロに住む陽気な男の子、ミゲルの父は音楽大学で教える音楽家。リオのカーニバルでは彼がアレンジした曲で町中が踊ります。(ブラジル)
 僕が一番いいなと思ったのは、カンボジア、プノンペンに住む13歳の女の子、スレイダーのお父さん、ヴェイン(44歳)さん。彼の仕事はバイクタクシーの運転手。お願いされた場所に村人をバイクで運ぶ仕事です。80軒の小さな村では、家族だけではなく、村全体でそれぞれの能力を出しあい毎日快適に過ごす工夫がなされています。
 お母さんが家の一階で営む日用品店の仕入れのため、朝からバイクで市場に連れて行ったり、ガスも水道も来ていない家で料理をするのも彼の役目。そして、お盆には実家に家族と帰り、両親と共にお寺に行ってお参りをします。
 至極まっとうな暮らしの中に、町にも家にも父親として明確な役割がある。こんな父親にいつかはなりたいものです。