『フィログラフィックス 哲学をデザインする』ジェニス・カレーラス 著/関未玲 訳

 幅さんに初めて会ったのは15年ほど前。深夜のSONE BARというところで、知り合いに紹介されました。その知り合いが誰だったかは全く覚えてないけれど、「ABC六本木店に務めている幅です。好きな建築家はオスカー・ニーマイヤーです。」という唐突な自己紹介だけはよく覚えています。その後、淀みなくとうとうとオスカー・ニーマイヤー愛を語る彼を見ながら、何が好きかを語ることで自分が何者であるかを語れることってすごいなと思ったのでした。
 自分が何が好きか、何を考えているか、ということを常にはっきりと言えるのが幅さんの素晴らしさであるけれど、一つだけ注文を付けるなら、ちょっと話が長い。ちょっとだけ。
 
 そこでこの本、ロンドン在住のカタロニア人デザイナー、ジェニス・カレーラスによる 『Philographics: Big Ideas in Simple Shapes』。実存主義などの哲学上の思想に加え、フェミニズムや資本主義までのあらゆる考え方、つまり「〇〇主義」を95点のインフォグラフィックを用いて、一枚で端的に表現した本です。
 例えば、absolutism(絶対主義)は白地に黒い大きなマルが一点。eudaimonism(幸福主義)は、横から見た半円形のお椀のようなものが満たされている状態。determinism(決定論)は、ドミノのように連なった四角形が一つ倒されているところ。といった具合。彼のサイトでも作品は見ることができます。

 幅さんはどれかなと考えたらやっぱりhedonismなのかな、eclecticism的な部分もけっこうあるかもしれない。
 いずれにしてもこれからもどうぞよろしくお願いします。