『味のなんでも小辞典』日本味と匂学会 著

 今回は「気持ちいい風を感じる本」というテーマなのだが、さいきん僕が一番気になっているのが尿酸値である。先日、2年ぶりに人間ドックにいったのだが、僕の尿酸値といったら右肩上がり。そう、痛風がもう目の前に迫っているのだ!痛そうな風を感じてきたぞ。
 痛風とは高尿酸結晶を原因とした成人病といわれるが、経験者に聞くと、とにもかくにも痛いらしい。食べるのは好きだけど、そんなに贅沢をしているつもりはないのだが、ううむ、日々の飲酒がまずいのか…。ビールはなるべく減らしているはずだが、ともあれ尿酸の代謝産物であるプリン体の摂取には気をつけねばならぬ。あん肝も白子も今年のシーズンは我慢しなければならぬのか?
 あとプリン体が多く含まれている食品といえばウニも挙げられるが、先日富山で食べたムラサキウニは堪らなかったなあ。もちろんバフンウニも旨いのだが、どちらにせよ産卵前の濃厚な味の時期は、命をいただく有り難みがわかる。なるほど、痛風の苦しみは命を喰らうことと表裏一体なのか。
 だが、この『味のなんでも小辞典』には、けっこう潔くないことが書いてあって、「プリンに醤油をかけるとウニの味になる?」のは本当かどうかという科学的説明などが載っている。しかも、味覚センサーが指し示す8つの味の受容膜の数字は、かなり近いものになっているではないか。なんだか、複雑な気分になってきた。
 この講談社ブルーバックスの一冊は日本味と匂学会の方々とその編集委員たちが、一見ばかばかしい味覚に関する素朴な疑問84個に丁寧且つ科学的に答える名著。甘いもの別腹の論拠や、脂のおいしさはどこで感じているのか?などなど誰が読んでもふむふむ頷けるはずなので、尿酸値が気にならないあなたも読んでみて。