鈴木清順監督“浪漫三部作”リバイバル公開記念!『ツィゴイネルワイゼン』トークショーレポート(ダイジェスト)

1月14日(土)に行いました、三部作すべての製作プロデューサー・荒戸源次郎氏による初日トークショーレポートです。(聞き手:リトルモア代表・孫家邦)
 
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■1980年、東京タワーの下に設営したドーム型テントで公開し異例の大ヒットとなった「ツィゴイネルワイゼン」製作の経緯
 
― 清順監督とのつきあいは長いのですか?
はい。いまでもとっても尊敬しています。私はファンでしたから。初めて名前と顔を覚えた監督です。まさか一緒に仕事をするなんて思ってもいなかった。
 
― 公開時には、自前のドーム型のテントで上映をしました。単館映画のハシリでしたよね。
ドームの中の空気圧を調節して維持しているのですが、なんだか得体の知れない大型の動物みたいな感じがしてましたね。『ツィゴイネルワイゼン』を製作する前に「今度、映画館付きの映画をやろうと思う」と周囲に話していたけれど、みんなどういう事なのか分からなかったようですね。清順監督だけは「はい、やりましょう」と言ってくれて。ただいい加減なだけなんだろうけどね(笑)。
 
■「ツィゴイネルワイゼン」キャスティングについて
 
原田芳雄さんを始めとするキャスティングは、清順さんが決めたんだけど、藤田敏八さんが演じた大学教授の役は本当は伊丹十三さんがキャスティングされてたんですよ。十三さんもやるって言ったんだけど、僕が敏八さんにこだわりがあって決めたんです。
『ツィゴイネルワイゼン』は清順さんが日活をおやめになってあまり撮ってなかった時に決まった映画。だから敏八さんに「この作品に、清順監督は監督生命をかけている。だからあなたも、まだありもしない俳優生命をかけて下さい。オレはこの映画に命そのものがかかってるんだから」って言ったんです(笑)
 
― キャスティングに関して、清順監督の女優さんの好みというのは…?
それはもう、和泉雅子さんですね。『ツィゴイネルワイゼン』でも和泉さんの名前が挙がったんだけど、あの頃和泉さんは既に探検家になってたんですよ。で、「ダメです。あの人は今北極でシロクマと忙しいんです」って言って諦めてもらったんだけど、次の『陽炎座』のキャスティングの時もまた「和泉雅子」って言われて、それしかないのかと(笑)
 
― 原田芳雄さん、大楠道代さん、麿赤兒さんは三部作全てに出演しています。
麿さんは、僕がいっとき状況劇場に在籍していた時の親分的存在ですね。「キャスティングの極意」っていうのがあって、「一映画、一アングラ、一色モノ」。ひとつの映画にアングラ系は一人でいいんですよ。たくさん出てると「これダメな映画だな~」って(笑)
 
■単館上映としては異例の9万6000人を動員した『ツィゴイネルワイゼン』
 
あんなにたくさん人が来るなんて思っていなかった。いまでもこんなにたくさんの方に見てもらえるなんて幸せです。当時は倒れちゃう人もいたんですから。映画に感動したんじゃなくて、ドームでの上映でおそらく酸欠状態で。北海道や九州から来てくれた方も何千人もいたんじゃないかな。アラーキーさんのスチールも映画の宣伝に大きく貢献していましたね。
 
― 最後に皆さんにひとこと!
この間『ツィゴイネルワイゼン』と『陽炎座』を2本続けてみた人がいて、身体を悪くしたと言っていました(笑)。ものすごくヘビー級だから、1本ずつじっくり観てくださいね(笑)。
 

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1980年の公開当時を懐かしみながら、独特の表現でユーモアたっぷりに語った荒戸源次郎氏。当時の熱狂ぶりと、今観ても色あせない作品の魅力を披露してくれました。
 
今週も製作・荒戸源次郎氏を迎えてトークショーを行います!
今だからこそ語れる貴重な秘話が聞けるはず!ぜひ、皆さまのお越しをお待ちしております。
 
【今後のイベントスケジュール】
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◆1月21日(土)12:15の回、上映終了後
『夢二』について語る!
 
◆1月28日(土)12:15の回、上映終了後
『陽炎座』について語る!
 
【会場・問合せ】
ユーロスペース
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 3F(渋谷・文化村前交差点左折)
tel. 03-3461-0211
http://www.eurospace.co.jp/
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