鈴木清順監督“浪漫三部作”リバイバル公開記念!『夢二』トークショーレポート(ダイジェスト)

1月21日(土)に行いました、製作プロデューサー・荒戸源次郎氏による『夢二』のトークショーレポートです。(聞き手:リトルモア代表・孫家邦)
 
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― 『ツィゴイネルワイゼン』と『陽炎座』が兄弟のような関係だとしたら、『夢二』は大きく変わっていますよね。準備の頃に、荒戸さんが清順監督に「今度はメロドラマをお願いします」とおっしゃっていたのを覚えています。
清順さん中で、後の『ピストルオペラ』や『オペレッタ狸御殿』に繋がるものがあったのだと思いますよ。僕はこういう風になるとは思っていませんでしたから。清順監督は「美学」とか言われるのが嫌だったんじゃないかな。それで「美学のようなもの」から離れる決心をしたんだと思います。でもいま考えるとそれを貫いたのは監督として立派なことですよね。
 
― いままでは原作ものでしたが、 『夢二』はオリジナルですよね。
田中陽造さんが書いた脚本が、もともと5~6年前にありました。そこに坂東玉三郎さんの出演部分を書き加えました。田中陽造さんに最初にお会いしたのは「木乃伊(ミイラ)の恋」というテレビ向けの脚本を読んだときでしたね。一番の脚本家だと思っています。
― 『夢二』の金沢での撮影で、田中さんが見学にいらっしゃって、ちょうど長谷川和彦さんのシーンだったんです。後に、「なんで清順監督は、僕が書いたように撮ってくれないんだ」と怒ってました(笑)。
 
― そして、この『夢二』までの10年でスタッフ・キャストも大幅に変わりましたね。
3本とも関わっているのは、出演者だと、原田芳雄さん、大楠道代さん、麿赤児さん。スタッフだと監督はもちろんのこと、田中陽造さん、音楽の河内紀さんなど。撮影の藤澤順一さんは『夢二』でキャメラマンとして関わっていて、それまでは(『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』撮影技師の)永塚一栄さんに付いていたんですよね。
― 藤澤さんは、いま『八日目の蝉』などで大変評価されているキャメラマンです。今回のニュープリントを作る際にもご協力頂きました。
 
― 原田芳雄さんは、『夢二』では金髪でしたね、この時代に!
本当は、昔の「旦那」みたいな刈り上げにしてもらおうと、監督と言っていたんですよ。ある時、現場に来たら、あんな金髪になっていて・・・、あれは可笑しかったなあ。清順さんは「ああ、原田さん、(金髪にして)うれしいですか?」と言っていました(笑)。
 
― 沢田研二さんは、荒戸さん世代のスターではありませんか?
あの役は、初めから沢田さんと決まっていた。男らしい素敵な、本当のスターですよね。(打ち上げで)タイガース時代の歌全部歌ってもらって、うれしかったねぇ(笑)。
 
― 3作を通じて参加している方たちは、清順監督のためであることはもちろん、荒戸さんだから、荒戸さんを好きになって集まってきてる、というところがあるんじゃないですか?
うーん。でも、原田さんが去年亡くなったことは、その喪失感はすごく感じています。あ、清順さんに教えてもらったことがあります。あの人は、お弔いに行ったときに泣いたりしない、ニコニコしてて明るいんです。原田さんのときもそうでした。昔、五所平之助監督のお弔いに連れて行ってもらったときに、清順さんはとにかくニコニコ。それを見て、ああ、その方がいいなって。そう思いましたね。
 


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今週28日(土)には製作・荒戸源次郎氏を迎えて『陽炎座』トークショーを行います!
ぜひ、皆さまのお越しをお待ちしております。
 
【イベントスケジュール】
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◆1月28日(土)12:15の回、上映終了後
『陽炎座』について語る!
 
【会場・問合せ】
ユーロスペース
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 3F(渋谷・文化村前交差点左折)
tel. 03-3461-0211
http://www.eurospace.co.jp/
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